ビッグでふくよかなママが大変身!多様性を描くミュージカル!(ネタバレあり)
1962年。アメリカ東海岸のボルチモア市を舞台にした楽しいミュージカルです。明るくふくよかな女子高生トレーシー(ニッキー・ブロンスキー)と、同じくふくよかな母エドナ(ジョン・トラボルタが女装)の2人がヒロインです。

ダンスとオシャレが大好きなトレーシーは、地元テレビ局の歌番組の大ファン。出演メンバーで特にお気に入りの「推し」は同じ高校に通うリンク(ザック・エフロン)。いつかリンクと一緒に踊るのが夢です。番組スポンサーがヘアスプレー会社のため、メンバーたちは歌ったりダンスする時も、スプレーを手に持って、やたらとシュ~ッ、シュ~ッと噴射させます(笑)。映画のタイトル『ヘアスプレー』はここからきています。

トレーシーもマネをして、毎朝スプレーを髪にシュ~ッとかけてから登校します。いかにもティーンエージャーらしくて可愛いです。トレーシーのヘアスタイルは大きくふくらませたセミロング。当時のアメリカ大統領夫人であるジャクリーン・ケネディのヘアスタイルをマネているのです。このスタイルは「ブーファン・スタイル」とか「ジャッキースタイル」とか呼ばれているようです。
さて、番組では女性の新メンバーの募集がありました。トレーシーはオーディションへ…。色々とありますが、出演の夢がかないます。スリムなダンサーが多い中、ふくよかなトレーシーは逆に目立ち人気がでます。大きなヘアスタイルも「スプレーの売り上げがのびた」と関係者に喜ばれます。町のオシャレなLサイズ服ブティックの店長から「ぜひイメージガールに」と電話が入り、トレーシーは「ママがエージェントになって!一緒に契約に行きましょう!」と提案します。この「エージェント」とは、タレントやスポーツ選手の代わりに契約交渉を行う代理人です。ママはクリーニングの仕事を自宅でしているしっかり者だから、エージェントにぴったりなんですが…。

でも、ひとつ大きな問題がありました。ママはふくよかな外見に自信がなくて、長年、家の中にひきこもっていたのです。けれどもトレーシーは「今は60年代よ!人と違っていいの!」と説得してママを夜の町へ引っぱり出します。

ここからママが変身するまでの『ウェルカム・トゥ・ザ・60s(ようこそ、60年代)』の歌とダンスシーンは前半の大きな見せ場です。監督のアダム・シャンクマンは振付師出身で、人びとがストリートを歩くシーンにも躍動感があふれています。

店では店長がママにもドレスをプレゼントしてくれます。試着室にはヘアメイク用のドレッサー(化粧の鏡台)があり、ママはヘアスタイルも服も大変身!ゴージャスできれいになったママはふくよかな自分にすっかり自信をもち、トレーシーとともに踊ります。…この後も母娘に事件が起こり、ラストまでハラハラが続きますが、敵役のミシェル・ファイファー他、キャラクターがリアルに描かれており魅力があります。「人はそれぞれ個性が違うからいい」「自分が正しいと思う考えはつらぬこう」などの強いメッセージもあり、楽しいだけではなく、考えさせられるし、勇気づけられる映画です。

『ヘアスプレー』(アメリカ映画 2007年 117分)
監督:アダム・シャンクマン
出演:ジョン・トラボルタ ミシェル・ファイファー ニッキー・ブロンスキー クリストファー・ウォーケン クィーン・ラティファ ザック・エフロン他
この作品のコラムは…
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