『ローマの休日』2 あのゴージャス女優がホントは主役?記者役もちがう男優だった?

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ローマの休日2 あのゴージャス女優が主役?記者役もちがう男優だった?

あのゴージャス女優がホントは主役?記者役もちがう男優だった?(ネタバレあり)
『ローマの休日』のアン王女は、今ではオードリー以外の配役は考えられませんが、実は企画の当初は違う女優でした。それは誰かというと、ゴージャス系美女の代表エリザベス・テーラーです。

リズ(エリザベス・テーラーの愛称)は、清純な王女より、きらびやかな女王『クレオパトラ』(1963年)が似合いますね。この作品は当時としては巨額の制作費をかけた歴史スペクタル映画として有名です。
リズは1932年生まれ。10歳から少女俳優として映画界で活躍していました。18才で最初の結婚と離婚。20才で2度目の結婚。21才で『ローマの休日』の<何も知らないお姫様>を演じるにはすでに私生活が波瀾万丈で華やかすぎたかもしれません。

リズは名作『陽のあたる場所』(51年)の好演でアメリカでの人気が高かったのですが、ワイラー監督は、新人オードリーを抜擢しました。オードリーは29年生まれで意外にもリズより3才年上です。無垢なプリンセスを演じるには24才という高めの年齢でしたが、清潔な気品と若さにあふれていました。ブロードウェイの舞台公演『ジジ』への出演が終わるのを8カ月待ってもらい、オードリーはアメリカ映画に今作品で初出演しました。結果として大成功。彼女はアカデミー賞の主演女優賞を獲得します。

ジョー記者の役も、最初はグレゴリー・ペックではなかったのです。ケーリー・グラントでした。イギリス生まれのグラントは「ユーモラスで、チョイワルな色男」が得意な俳優。この『泥棒成金』(ヒッチコック作品)では宝石泥棒を軽妙に演じて、グレース・ケリーとの美しく楽しいラブコメディサスペンスです。グラントは今どきでいえば、ジョージ・クルーニーとよく似ていますね。(ジョージは、おそらくグラントをお手本にして作品や役柄を選び、演技もマネている感じがします)


もともとジョー役はダメ男の設定で、マジメ俳優のペックよりもグラントがハマったかもしれません。脚本もグラントの洒脱なイメージに合わせて書かれたと言われています。ジョーはダメ男の特派員記者。本国アメリカから遠く離れたイタリアで働く日々に不満。酒とポーカーに溺れつつ、早くアメリカへ帰りたいとだけ願っています。狭いアパートはキッチンも無く、食事は外食ばかり。仕事には寝坊で遅刻するし、お金にだらしないのか?アパートの家賃は滞納、まわりの人にいつも借金してばかり…。そんなしがない独身アメリカ特派員がただよわすユーモアと哀感はグラントのほうがリアルに出たでしょう。
『ロ-マ…』の10年後の『シャレード』(63年)ではオードリーと共演しています。


けれども、やっぱり『ローマの休日』はオードリー・ヘップバーンとグレゴリー・ペックですね!
当初のエリザベス・テーラーとケーリー・グラント(当初は監督の候補もワイラーではなく、フランク・キャプラ)では、恋愛が色気たっぷりで、重たくなってしまったかも知れません。
オードリーとペックの端正な清らかさがあってこそ、この奇跡の「おとぎ話」は透明感がでて、20世紀で最高にロマンチックなラブストーリーとなりました。これから先も、白いパールのように永遠に輝き続けることでしょう。


『ローマの休日』(アメリカ映画 1953年)
1953年 米アカデミー賞 主演女優賞・原案賞・衣装デザイン賞受賞
監督:ウィリアム・ワイラー
出演:オードリー・ヘップバーン グレゴリー・ペック他

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